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難民と古典②――ジョン・ロック『統治二論』(その2)――

 社会契約論の意義は、文字通り国家による統治が社会契約に基づくものであるとすることにあります。ジョン・ロックの社会契約論の場合で言えば、人々はより効率的に自身のプロパティ(個人の持つ権利や財産の総体)を保全するために、元来自分自身が持っている権力を統治者に委託する契約を結んでいることになります。ですから国家は当然のことながら、契約をきちんと履行する義務が有り、委託された権力は人々のプロパティを守るためにのみ行使されなければなりません。
 このようなロックの社会契約論の視点に立った場合、幾つかの点で絶対王政やホッブスの議論ではありえなかった論理が成立します。一つが“国家に対して抵抗する権利”、そしてもう一つが“不当な統治から逃れてきた人々を保護する風潮”です
まず一つ目の抵抗権についてですが、これは国家が契約を順守していないときに認められます。先述したように、社会契約論の論理では国家の持つ統治権力は人々が自己の権力を信託した結果として成立します。このため、万が一にも国家が人々の信頼を裏切り、委託された権力を行使して人々のプロパティを侵害するようなことが有れば、人々は自らの手に権力を取り戻して、より妥当な統治機構に権力を預け直すことができなければなりません。ロックの社会契約論に基づけば “不当な統治に抵抗する権利”は人々が持つ当然の権利であり、正しく機能していない国家権力に対して抵抗する事は、たとえ当該国家が抵抗運動を犯罪として弾圧しようとも、正当な行為と見なされます。「政治犯罪」と今日我々が呼ぶものは、このような考えから一般の犯罪とは区別されるのです。
 そうはいっても、国家に抵抗することは簡単なことではありません。通常国家は一度預けられた権力を保持し続けようとしますから、不当な統治に抵抗する人々は国内では犯罪者・反逆者として扱われます。しかし、他国から見た場合にはどうでしょうか?社会契約論に基づいて建設された国家は、国民に自らの正当性を示し続ける必要がありますから、不当な支配に抵抗する人々がいれば、彼らを支持しなければなりません。(不当な国家の方を支持することは、社会契約論の前提そのものを否定する事になるため。)それゆえ、このような政治犯が本国で迫害を受けて逃亡してきた場合には、彼らを本国政府の追及から守り、自国内で庇護する事が、自国の統治の正当性を示すことに繋がります。このような考え方から近代社会では政治犯罪を特殊なものと見なし、政治犯が国外に逃亡した場合には、これを庇護することが考えられるようになりました。これこそが今日の難民庇護原則の底流をなすものです。
(続く・・・次回は9月15日です。)

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