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難民と古典①――ジョン・ロック『統治二論』(その1)――

 難民問題を考える上で避けては通れないものの一つが、西洋の政治思想です。難民は有史以来ずっと存在してきましたが、彼らが「難民」として認知され、しかも庇護が与えられるべきだと考えられるようになったのは、せいぜいここ200~300年の間です。何故難民は他の移民と違って庇護されなければならないのか?そのアイデアの源泉は西洋の思想の中に辿ることができます。ここでは幾つかの文献に触れながら、西洋における難民保護の思想的系譜を辿りたいと思います。
 難民問題を考える上で非常に重要なターニングポイントの一つが、17世紀~18世紀にかけて起こった、国家権力に関する論争です。この時期ヨーロッパは絶対王政から市民社会への移行期にあり、如何にして絶対王政を擁護するか、あるいは如何にして絶対王政を批判し、民主的な市民社会を正当化するかが問題になっていました。その中で王権神授説や社会契約論といった様々な国家理論が生み出されてくるわけですが、この中でも特に難民問題にとって重要なのが、ジョン・ロックが提唱した社会契約論でした1
 ロックはその著作『統治二論』(原題:Two Treaties Of Government)の中で王権神授説を批判するとともに、何故国家が必要なのかを社会契約の観点から書いています。彼の理論によれば人間は自然状態(国家も何も存在せず、各人が自由に好きなことをしていい世界)では全員が自由であると共に平等であり、人々は相互に権力を持っている状態にあります。全ての人は自分の命や財産を守る権利が有り、それを守る範囲内で、他人に権力を行使したり罪を犯した人を罰する権利が与えられていますが、特定の人が他の人より強い権力を持っていたり、一方的に相手に権力を行使していることはありません。
 しかしこのように人間が相互に権力を持ち、それを行使することが可能な場合、ささやかないざこざであっても、裁定者がいないために終わりのない争いになりかねません。このため、人間が自然状態で与えられているような自由や権利を効率よく保持するためには、社会に属してより上位の権力を持った裁定者に統治を信託することが必要になります。これこそが人間が社会を作り、統治権力を認める理由なのです。(あくまでこれはロックの理論ですが。)
(続く・・・次回は8月24日です。)

1 社会契約論自体はロック以外にもホッブスやルソーらによって論じられていますが、議論の展開は論者によってかなり異なっています。ここでロックの社会契約論について述べています。

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